用心棒の小娘 2024-10-05 18:32:43 |
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(/戻りが遅くなり申し訳ございません)
(薄らと差し込む陽光につられるように重たい瞼を持ち上げ薄らぼんやりとしたままの視界のなかで瞳だけを気怠げに動かした。部屋の中だ、しかも温かい布に包まれて落ち着く匂いがして、そこまで思考を溶かした後で身を起こして辺りを再度見回す。昨夜のままの部屋に足りないのは飼い主様の姿、大方寝ずの番だと言ったのは半分冗談で起こさないまま部屋を出たのだろうということは拙い思考も働いている。冷えた床に足を下ろし、寝床を綺麗に整えて、己の気配がそこに残っていないことを入念に確認し、前を整えただけの寝間着のまま部屋を出た。飼い主様は飼い主様の日常に戻ったに違いない。であれば自室に戻って着替えて____聞こえたのは猫の鳴き声、そちらへ歩み寄ることはせずに少し離れた位置からその声の主を眺めたのは単純に飼い主様が慣れたように猫と戯れているようだったから。正直に言えば驚いた顔をして、次に何とも言えない感情を飲み込んだ顔をしてぼんやりと飼い主様と猫の様子を見る。自覚はないのだろうが、飼い主様は存外猫に甘いらしい、そんな風にするから付け上がるのだぞ、猫風情が、可愛いけれど。あまり視線をやっていて気付かれても困る、と程々に、そっとその場を離れるべく身を半回転、)
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