人間 2024-09-29 13:36:37 ID:88fede34f |
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それなら買い物に向かうべきじゃないかな?僕の用事に付き合った後ではきっと疲れてしまう。何せ、此処から暫くは歩くだろうからね。
(人外種である自分にこうも積極的に詰め寄る人間なんて、思い当たるのは1人しかいない。けれど言葉1つ1つに噛み付いていたらきりが無く、軽く振った手を降ろし終えるとお互いの用事へと歩みを進めた。挨拶とはそれくらいほんの一瞬に交わすものなはず。だと言うのに、自身が踏み出した1歩に合わせて後ろから重い革の靴音が聞こえてきた。音の主は誰なのかなんて容易に予想でき、間もなく声が聞こえてきて答え合わせになる。幾度も聞いたことのある声にため息を漏らすと、後ろを振り返ることなく首を傾げて心配する素振りをして。体力が無いと自覚しつつも好奇心に身を振り回すなんて呆れつつ、あくまで建前、距離があるという程でもない道のりでも断る理由を作るには丁度良かった。)
まぁ、それでもいいと言うのであれば好きにすると良い。……ゆっくり歩いてやろうか?
(自身の背中に注がれる視線へは市街地で浴びせられたものとは違い不思議と平然としていられた。それに此方から忠告はしたものの、これまで一度湧いた彼女の興味を抑えられた覚えは無い。歩きながら思考を巡らせては炎がそれに応えるように左右へ揺れ、ゆっくり中央へ真っ直ぐ伸びる火柱に戻れば後ろへ振り返って。見ればやはり後ろにいたのは彼女で、となると追い払うなんてことも難しいだろう。足を止め、肩を竦めては諦観交じりに選択を相手に委ねることにした。それに骨董屋やそこにある品々を人に見せることに少しの嬉しさもあった。櫛を贈った際に実際に人が使う様子を見ることができ、その画は今も記憶に強く残っている。人が創る物が好きなことは自覚しており、それを使う生活の一部から暖かさが感じられ魅入られるのも納得がいく。彼女が自分ではなく並べられる商品にも目を向けてくれたらなんて期待を抱き、歩幅の差から空いた距離に気付くと片手を南瓜の口元にやりながら尋ねて。)
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