人間 2024-09-29 13:36:37 ID:88fede34f |
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何で僕に……。櫛なんて置いていないというのに…いや、少し待ってて。
(客室の前で迎えてからずっと向けられていた此方を探る視線が鏡へと移され、いつも通りに保っていた炎が安堵のため息の代わりに空気を包み揺れる。その前に一言、研究にはそぐわない言葉を返され彼女が不服な様子が伝わるも、察しの悪い振りをしランタンを傾けた。後は鏡で容姿を整えてもらい見送るだけ、自分の役目を終えた気でその場で後ろ手を組み鏡を見遣る彼女を見下ろしていたところでまた此方へ双眸を向けられ、必要性が無さそうな頼まれ事に戸惑い肩を竦めて。腕を前へと移し組み直し、そのまま頭を抱えるように片方の手をランタンへと添え、嫌では無いものの使役されることが癪で返答に悩む。それでも雑に済ませるという考えは無く、自分の集めた小物の1つを思い出すと徐ろに書斎へと足を運んだ。)
これ、前に迎えた品なんだけれど…使える者の手に渡った方が物も本望だろ。ま、夕食のお礼とでも思って貰ってくれ。
(書斎から琥珀色の小箱を片手に戻ると、玄関前でそれを開いて見せる。中には鼈甲で作られた櫛がクッションに包まれ収められていた。炎に当たると現れる艶に全体に広がる模様の濃淡、櫛先を照明に透かすと薄く光が透けて繊細な技巧が窺える品で、確かに自分が惚れて購入したものなのだが、生憎使う機会は無く仕舞われたままだった。箱の質を見るに美術品というよりも日用品に近い価値のもので、実用性を見出し相手へ贈っても問題は無いだろう。自分が直接彼女を整えることはしなかったが、手入れに気を遣う性分が彼女の無頓着さを見過ごせなかった。気を遣わせないためにも贈る口実を考え、使うことを促すよう箱を開いたまま鏡の隣へ置いておく。彼女の言う効率性なんてものは考えに無く寧ろ彼女を引き止めてしまったが、物が真価を発揮出来る場所を見つけられたことで声色は明るかった。)
(/私も日が空くときがあるので、お気になさらず。強いて言うなら長く空くときに一言頂けると嬉しいぐらいなのですが、以前伝えて下さったこともあって不安等もございませんので…!
自分もついフレイに物を贈らせてしまい…困らせられる度、彼はどう返すか考えるのが楽しいです。
外だと、日用品や骨董品のために町へ出たり、薬品作りを市街の人に頼まれた時にはそちらへ出ることもあると思います。希望とは少し違うかもしれませんが、オバナちゃんの外出時と合うものがあればそちらで進める方針でいかがでしょう…?)
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