こままま 2024-09-27 17:37:44 ID:698f3df07 |
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どこかも分からない真っ暗な闇の中。
二つの光がガタゴトと音を立てて一両の電車が進んでいく。
「.....。」
黒い制服に身を包んだ男か女かも分からない人物が懐中時計を取り出し時間を確認する。
「本日も裏世界線ご乗車ありがとうございます。次は~、灰荊~灰荊(はいばら)~。お降りのお客様はお忘れ物の無いようお気をつけください。」
どうやら間も無く停車するようでアナウンスが車内に流れる。
しばらくすると地下鉄のホームと思しき空間が車両の右側に見えてきた。
だがホームは暗く、誰か電車を待っているのか分からない。
そして緩やかに速度を落とした車両が暗がりの広がるホームへと停車した。
『ぷしゅう』と音を立てて扉が開く。
誰が乗ってくるのかもまだ分からないその駅へ。
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