一閃(〆)

わかったから、そう急かさないでくれ
(政府が直々に自分たち専用の拠点まで用意してくれるとは中々に手厚いものだと感心しつつ、隣に立つ聖剣の名を冠する出会って間もないパートナーの少女の姿を見やる。日本人離れした髪や瞳の色、端正な顔立ちに美しい立ち振る舞いはまるで人形のようでもあって。あくまでも与えられた役目の為、そこに深い意味や色気のある事情は介在しないが彼女のような美少女と一つ屋根の下同居出来るのは、やはり男としては心踊るものがあって。しかし、そんな内心の胸の高鳴りはおくびにも出さず努めていつも通りの調子でそう軽くあしらいながら鉄扉を開け放って。扉を開けて真っ先に目に飛び込んできたのは真新しくも、どこか懐かしさを覚える日本家屋風の作りの玄関と廊下で「ほう…コイツは中々立派な家だ、俺たちの愛の巣にピッタリだねぇ」彼女の頭にポンと手を置き、冗談めかしてヘラッと笑いながらそんな軽口叩いて新居をそう評価して)