『蚕繭』 2024-08-25 20:21:07 |
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(/まあ暗がりでやったら気絶待ったなしでしょうね。某人をダメにするクッション置くので、そのままお眠りもどうぞ!!!
似てないけど似てる兄妹ですね……オタクの見本みたいな反応すら可愛すぎてめっちゃファンサしちゃいました。やった原因が言うのもアレですが妹さん生きてます……?
お守りされてなくても歩くトラブルメーカーこと桑嶋が勝手に巻き込んでいくかと思われるので春翔さんも背後様も安心して下さい(?)。相思相愛で大変嬉しいです~!それならワクワクしながらお話ねりねりしちゃおう……。)
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( 彼女からまた言葉があればじっと見詰めて静止する辺り、今回は割と人の話を聞いているよう。ただしその反応はといえば、目の前のオーバーヒートを起こす顔に起点を置いたまま首を傾げるに留まって。「……きらきら…秋の……ペガサス、魚…」更にはフリーズする彼女をほっぽって一人ぶつぶつ単語を羅列しながら、スケッチブックを捲って白い頁に色鉛筆で躊躇い無く絵の輪郭を生み出しては色彩を重ねていく。尚その間口は半開き、目もかっ開いて瞬きすらしないヤバい面構えだったが、俯き気味だった為ファンだという彼女には見えていない、と思いたい所ではある。――時間にすれば精々三分から五分くらい。出来上がったのは、立派な角を持つ雄羊が、その背に生える真っ赤な炎の翼を羽ばたかせ、青空を駆け回っている絵。幻想的あるいは宗教画にも見えるそれが描かれた頁の隅に“蚕繭”の名入れをした後、留め具のリングから丁寧に外して、「秋穂さん、」依然固まったままの彼女の両手に掴ませる。「雲に負けずに、空を見つめていて下さい。その情熱はアンタを太陽にもしてくれます。」物凄い回り道と出遅れをかましてはいるが、どうも先程受け取った彼女の言葉に対する返答らしい。応援と思わしき添え物のその後に、「……春翔さん?」やっと今頃離れた彼の不在に気が付いたらしい、きょろきょろ辺りを見回しては目的の人物を探す挙動を。
一方で会場スタッフはといえば、時間のギリギリまで設営に追われている模様。やれそっちの案内板が曲がってるだの、こっちの時計がズレてただのとやいやい忙しない様相である。そんな所に声を掛けてきたスタッフの一人――もとい、画家の世話役である男からの問いに数秒考え込んだ後、『あー…では、会場内を好きに歩かせておいて下さい。今日はあの格好ですし、色んな所に顔見せておいた方が集客の効率良さそうなので。』“ただ黙ってじっとしてる”なんて方が期待出来ない変人、と担当画商から聞いていたのもあって、いっそあの顔面を客寄せパンダにする方向に振り切った回答を返す設営スタッフ。その後ろから更にひょいと顔を出した別のスタッフからも、『あ、午後以降はなるべく物販コーナーにあの人を回してくれると有り難いです。本人の前で買って頂く方が売り上げ伸びそうなので。』との頼み。仮にも個展の主役である筈の画家なのだが、備品の如く何とも雑な扱いである。……と、その肝心な画家の方に視点を戻すと。探している人物より前に、外に続々集まってきているお客達の方に焦点が合う。その内の数人と目が合い騒ぎ出した声を聞いた瞬間ぴたっと動きを止め、その何秒か後に今度は変人がすぐ傍の彼女の陰に隠れ、「……びっくりしました。とても賑やかです。」と独り言なのか声かけなのかよく解らないぽやっとした二言を落とし、「……春翔さん、」もう一度、ほとんどしゃがんでるような体勢で小柄な女性の背後に隠れる情けなさ全開の格好で、先程まで其処に居た男の名をまた呼び、スタッフ達の声のする方とお客達の方と交互に顔を向ける仕草を繰り返す。)
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