『蚕繭』 2024-08-25 20:21:07 |
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(/うわーっ!!お待ちしておりました~!!此方は大丈夫です!!殺しません寧ろ生かしてあげたい!!!めっちゃ生きて下さい!!!
お気遣い有り難う御座います…!!いやもう春翔さん背後様こそお身体には気を付けて下さい……それはそれとしてまたやり取り出来るの嬉しくてにやけが止まりませんね、今後とも宜しくお願いします!!!
という辺りでぶっ倒れイベントも区切りが良いかなと時間を飛ばしましたが大丈夫だったでしょうか…?折角だから春翔さんが正式に同居を始める初日に桑嶋のお顔お披露目しようか、とロル回しまくりましたが……浮かれすぎてたらすいません、何かその前にやっときたい事があったらお時間戻して頂いて構いませんので…!)
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( 枯れ枝を乗せて行ったり来たりの眠り舟は薄くも柔らかい布一枚にノックアウトされて、いよいよと海底に沈んでいく。男のズボンから離れた両手も、見上げて尚髪に覆われたままだった顔も仲良く床に落っこちたその後は、ブランケットを掛けた張本人が遠ざかる足音に全くの無反応で、しかし倒れた瞬間よりは多少健やかな寝息が散らかり始める。その後、リビングからすっかり人の気配が消えて何時間と経ってから起きた変人は、いつの間にか“壁際まで転がった挙げ句に簀巻き状に布を巻き込む”というある意味極まった寝相から自力で脱出する程度には回復し、「絵を、描かないと……」と寝る前と変わらない中身の呟きを置き去りに、半端にブランケットを引っ掛けふらふらアトリエを目指して家を徘徊する。
――幾つかの昼夜を経て。本日の画家の寝床は玄関に程近い通路。ただこの前と違うのは、物音で起きる程度には眠りが浅く、体力にも雀の涙くらいの余裕があった事。行き倒れたような俯せから上体を持ち上げた変人が見たものは、何やら引っ越し業者らしき知らぬ人間達が忙しなく己の家内を行き交っている光景。「……ヤドカリ?」その目の前の状況フル無視したような単語の一つを溢しながらも、特別何か制止するでも声を掛けるでもなくその場で体育座りに腰を落ち着けて、作業を顔ごとの視線で追いかけ回し。そのまま三十分かそこらが経った辺りで今度は見覚えのある人物が玄関に現れる。「画商さん、おはようございます。」変人の姿を見付けるなり慌てたように距離を詰めてくる画商に呑気なご挨拶、それから続けて何かを言いかけたその枯れ枝は床から引っこ抜く勢いで首根っこを掴まれて、何の説明も無く、ただその場の業者に“家主を借りる”と雑に言伝てを残した画商によって拐われる。――ぽいっと放られた車の中、右から左へ流れていく愚痴めいた画商の話を纏めると、どうやらいつぞやの個展をやるより前に絵を売った顧客からクレームがあって、その客の話を聞きに画家本人も同行させるとの事。しかし毎度の事ながら、それを聞いているのかは怪しい気配で外の景色を変人は眺めていた訳ではあるが。……あれやこれやの内、問題がまるっと解決して画家が家に帰った、もとい画商に強制リリースされたのは同日の夕暮れ時。再度玄関先に自分を投げて次の仕事に向かう画商を、転がり座った体勢でぼんやり眺めたその数分後。一応クレーム対応という名目の為、少しでも真っ当な格好をと被せられたデカめのジャケットの襟首を指で弄ったり、前髪襟足関係無く綺麗さっぱり首の後ろに一纏めにされた髪の根本辺りを探る所作を見せた変人は、やがてずるっと腕を垂れ下げ、「……解けません。」一人そう諦めらしき言葉を落として立ち上がり、屋内に足を踏み出す。「春翔さん、何処でしょう?」続けて紡いだ歩みの目的は、どうやら今此処に居るかどうかも解らない男の所在捜索らしい。「春翔さん、春翔さん、何処ですか。」不在の可能性に考えは及ばないのか、それとも何か確信でもあるのか、ともあれ普段よりも明るい視界をあちこち巡らせながら何度も彼の名を呼び探す。)
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