ネガティブ 2024-08-12 19:24:43 |
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(いつの間にか来ていた看護師に引き離される。すると彼が胃液を吐き出した。今日だけで何回嘔吐したのだろうか。苦しそうな彼とは裏腹に手際よく処置を進める看護師たちには尊敬しかないが、同時にまた自己嫌悪が広がっていた。きっと彼は嘔吐する前に何かしらのサインをしていたはずなのだ。看護師はそれに気が付いて、自分は気付くことが出来なかった。何年一緒にいるのだろう。別にエスパーになりたいとか読心術を身に付けたいとか、そんな大それた願望を持っている訳では無い。ただ、最低限彼のことを理解していたい。その中の一つが病状を理解することだった。自分は彼のことを知っているようでいて、全く知らないのかもしれない。もっと早く気付いていたら何かできたかもしれない。そんな後悔と自己嫌悪を抱きながら聴いた彼の慰めの言葉に、ゆるゆると首を振る)
悪いよ。これだけ長く一緒にいて何もできないんだから…。悪いに決まってる。
…水月。俺はね知ってるよ。水月の体調が悪くなるのは俺のせいだって。だってお前が体調を崩すのはいつも俺がお前を困らせた時だもん…。
(途中で自分の中の理性が忠告をしたようだったがもう遅かった。思っていることを言ってしまった。彼は自分のこういう発言にいつもいい顔をしない。だから今回も不機嫌にしてしまうかもしれない。蚊の鳴くような声のくせには言いたいことをはっきりと言ってしまった気持ち悪さと、彼に嫌味のようなことを言ってしまった後悔とで胸の中がぐちゃぐちゃになる。今日は厄日か何かなのだろうか)
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