ネガティブ 2024-08-12 19:24:43 |
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み、水月…!
(医師の応答を待っていると堰を切ったように彼が嘔吐した。自分に相対していた筈の医師はすぐに彼を介助した。自分も彼の傍に駆け付けようとしたが、すぐに看護師たちが病室に入ってきたため、遠巻きに眺めるしかなかった。また、これだ。別に自分は医師免許を持っている訳でも、看護の資格を持っている訳でも、体系的な医学知識がある訳でもない。だからこういう場面でできることは何も無いことはよく分かっている。だが、やはり彼の危機には自分がいなければならないからという使命感が、それを許さない。故に無力感を感じる。思えば、自分が過剰に犠牲を払わなくてはと思うのはその反動なのだろうか。彼は大丈夫なのだろうか。気が気でなかったがしばらくしたら看護師たちは退出し、そして彼は先程までの不調が幾分かマシになったのか、明瞭な声と目で自分を見据え注意をする)
で、でも…。……変なことを聞いてすみませんでした。お仕事に戻ってください…。
(他でもない彼に宥められては自分も引き下がるより他ない。医師に謝罪をして深々と頭を下げると、医師を病室から退出させる。病室に再び二人きりになると、ため息をついて椅子に腰掛ける。彼に注意されたのが気まずくて、しばらく沈黙していたがまるで母親に言い訳をする子供のようにぽつりと呟く)
俺は自分のしてることが間違ってると思ったことはないから…水月の為になることなら、何でも正しいはずだから…。
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