案内人 2024-07-22 02:51:14 |
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( >52 ) : サノール
( 外部の施設の者は組織の者より幾分か友好的で、首領亡き今肩の力を抜くのにはもってこいだ。そんな私情で息の掛かった教会へ立ち寄れば、此方に気付いたシスターは静かに駆け寄り真白な布を手渡しながら奥で負傷したアルタ構成員が休息中だと伝えてくる。早々に組織の医療班への連絡も済ませた上で清潔な布を多量に用意し、且つ自身は直接干渉せず此方に預ける振舞いは非常に目敏く利発で、慎ましながらよく気の利くシスターだとひとりでに感心し。さて戸を開けた先の椅子に佇むその人影、見覚えはあるが知己ではない。恐らく一介の構成員であろう。なだらかな歩きからは足音も鳴らず、然しながら吃驚させぬよう服の布同士が擦れる音は意図して消さずに近付き。やがて傍まで辿り着けばその膝の上に纏めて布を放り、一歩後ろに引いたあと膝に腕を置きしゃがみ込んで顔を見上げる。構成員の自身に対する好悪は様々だ、様子を見てから次の言動に移ろうと沈黙のまま所在なげに瞳を見据えて。 )
( >53 ) : ルシアン
── わんちゃん。良いおはなし聞けた?
( ヒリついた本拠地の空気を避けるように街中を徘徊中、路地裏から見知った男が出てくるのを目撃すれば瞬きひとつ。新聞社を尋ねた筈の彼が何故そこから出てきたかは想像に固くない、すっと目を細めれば本拠地の方へ向かうその足取りに合流しようと近寄って。彼はその行動理念から比較的神経を割かなくていい相手であり、また地位も鬱陶しい視線から守られ至便である。脇からそ、と覗き込むように顔を見遣り親しみを込めて呼び掛ければ、努めて他意のない静かな眼差しで収穫を尋ね。 )
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