東 2024-07-20 01:24:27 |
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は……?
……いやいやいやいやいやいや。なわけ──!
(既になってる?何に…?平の言葉の意味がすぐにはわかんなくて、ぽかーんとしてしまった。私、なんか言ったっけ。直前まで考え込んでいた内容に当然心当たりはあるけど、まさかそれ、全部口に出してた?私、どっからどこまで喋った……?完全に無意識のことだったから、うまく思い出せない。一体私は何を口走ったんだ。焦りながら視線を泳がせ、脳内で必死に直前の記憶を手繰り寄せる。とにかく私は、平があの可愛い子と並んで歩いてるとこ見てからずっと無性にモヤモヤしてて、仲良さげだったなとか、お似合いだったなとかいろいろ考えてて──ってこれ、思いっきりヤキモチじゃん。いや、今そこはどうでも良くて。さっき平もいい匂いしたし、私もあの子みたいな、平にお似合いのいい匂いする典型的な愛され系女子?まあ完全に私のイメージだけど。そんな風になれたら、私も平の視界の隅っこくらいには映れるのかなって──。
私が何を口にしてしまったか正確には思い出せないけど、もしかしなくてもこれってどう転んでも私に都合よすぎないか。だって、既に私があの子みたいないい匂いする可愛い子になれてるって、平にはそう見えてるって、そういうニュアンスじゃんね?たぶん。そんな考えが過ぎった瞬間、かぁぁぁっと顔中が熱くなって、顔の前で片手をぶんぶん振りながら全力で否定してしまう。いやだって私が遊びに誘った時に平が露骨に迷惑そうにしてたの知ってるし、そもそも私いま絶対汗臭いけど…!?私の願望とこの現状、何一つ掠ってないじゃん。やっぱ私の勘違い?夢?軽くパニックになって、自分の服の匂いをくんくん嗅いでみたり、ありえないだろ何言ってんだみたいなオーラ出しながら平を睨んでみたり、また自分を嗅ぎ直したり。ほんの数秒くらいの間に、あたふたと挙動不審に同じ動作を繰り返してしまった。変に期待させんな。ほんと勘弁してくれ。)
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