掲示板ファンさん 2024-05-30 14:57:38 |
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……これは…拾いもの、ですから。誰かに渡さなければ、と。常々思っておりました。
(何故なら─"人間"は普通、何かを拾った時には─"そうするもの"なのだろう?やはり口にも表情にも出さないが、言外にその意図を込めて首を傾げる。どうやら自身の問い掛けは図星だったらしく、相手の表情が変わり、一瞬たじろぐのが目に見えて分かった。ずっと差し出しておいても手が使えずに邪魔なので─宿儺の指は一旦自身の胸ポケットへ戻し、自身の前に立つ相手の指差した先をまじまじと見つめる。─寮。その言葉の意味自体は知っているが、実際に見たことは無い。相手の案内に従い─足を踏み出す度にぎしぎしと音を立てて軋む、何処か古びた木造の廊下を進んでいった。途中で目に入るグラウンドや教室、その他諸々に少しばかり興味を持ったような眼差しを向けはするものの、それらは直ぐに─普段の冷めた眼差しへと戻ってしまう。相手の案内に従って暫く歩いた先、寮らしき建物を静かに見上げて)
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