掲示板ファンさん 2024-05-30 14:57:38 |
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……黒鐘、と。申します。
(二度の忠告を経ても尚、自身を睨むばかりで大人しく帰ってくれる様子の無い少年の方は最早、普段のように溶かして黒い塊にしてしまうより他に無いのか、と─ただ静かな瞳で見つめていると─新たに彼らの背後から現れた、長身かつ目隠しをした白髪の奇妙な男。彼らの、天上から垂れ下がる阿弥陀の糸を見たカンダタのような反応を見るに─この男は彼らに"ごじょうせんせい"、と呼ばれており、それなりに信頼の置ける人物であるらしい。先生、との名を冠しているのだから、恐らく彼らの教師なのだろう─そう目星を付ければ少年を見ていた空虚な黒の瞳を男の方へ向け、普段そうするように─男に向けて深々と頭を下げた。頭を下げた拍子に前髪がふわりと揺れ、瞼の上に何束かが重苦しく掛かるのを感じる。ゆるりと顔を上げ、その─"ごじょうせんせい"とやらに向けて口を開き)
……彼らの、治療をお願いしても。私は、人を、傷付けるのは…本意では、ないのです。
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