掲示板ファンさん 2024-05-30 14:57:38 |
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( 現場へと着いてみれば、ここでも混乱するばかり。どうしよう。どうしたらいいのだろう。わたしが来れば、恵くんは「犬山先輩…」とただ呟いて。ごめん恵くん。こんな役立たずの先輩が来てもなんの勝機にもならないよね。心の中でそう呟く。この人―黒鐘さんが特級呪霊…本当にそうなのだろうか…?彼は優しかった。見ず知らずのわたしを助けだってしてくれた。すると、又もや宙から真っ白な雪が降ってきて。それが彼の玉犬へ当たれば耳が溶けていき。さーっと顔色が悪くなり、思わずその光景を見て、気持ち悪くなってしまう。人に"気持ち悪い"だなんて思ってはダメなのに。―いや、この人は人じゃないのか。そう思えばようやく我に返る。雪の勢いが増して来れば、わたしにも、そして恵くんにも当たったのか、恵くんは手のひらを。わたしは指先がどろりと異形になって。「…っ」言葉も出ない。当然だ。きっと黒鐘さんにはわたしたちじゃ勝てない。ならばどうすればいい。戦わず、相手もこちらも傷つけないようにするには―。恵くんの方をちらりと見れば、彼は怒りか、はたまた悔しみの表情で相手を見続けていた。 )
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