伏見静 2024-05-20 07:55:48 |
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(大和川警視が貴方に対して放った問いかけに、本人を抜きにして不躾な質問をしていたことがバレやしないかと薄茶色の瞳を泳がせて。自分のデスクに戻る貴方の様子からして、気を悪くされたりはしていなさそうだと判断しほっと息をつく。「設立当初から……」大和川警視の話を聞いて、思わず漏れ出た呟き。目の隈や痩せた頬でわかりにくいが、年の頃は自分と殆ど同じであろう貴方が卓越した判断能力や高い殲滅力を持つ理由に納得がいった。次いで語られる前任の話には目を丸くして。以前のバディ候補から死神とバディを組むのは不快だなんだと言われていたことは聞いていたが、そういえば前任のバディの話は聞いたことがなかったように思う。道理で死ぬなと言われるわけだ、と目線を動かして貴方を一度見つめ、それから深々と頭を下げた大和川警視に「頭を、上げてください」と静かな声で伝える。貴方の睡眠を阻害しないよう声を潜めてはいるが、その声には芯が通っていて。「一個人の考えですが、誰かを見捨てた人間は、誰かに見捨てられても文句は言えないと思っていまして。……俺は見捨てられたら文句を言いたい人間なので、自分から誰かを見捨てることはありません」と、真顔で私情を明かし。それからふと表情を緩め、微笑みを浮かべ。「伏見警部補のことは掴み所のない人だとは思っていますが、好ましくも思っています。見捨てようなどとは思いません」不気味で、不思議で、だからこそ面白い人だと思う。相棒になれて良かった──とまではまだ出会ったばかりなので言わないが、共に行動していて苦を感じないことは確かなため、その思いを言葉に乗せて。言い終えてから気恥ずかしい内容を聞かれてはいないかと貴方に再度視線を向けて確認を)
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