さすらいの旅人さん 2024-05-06 23:09:02 |
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またまた~、そんなこと言って。本当は僕が来てくれて嬉しいんじゃないですか。残念ですが来るなと言われたら余計に来たくなってしまう。
他に誰も来ないだなんて、寂しい人ですねあなたは。
(文句を言われようとどこ吹く風、へらへらと笑いながらわざと小馬鹿にしたような口調で煽る。彼が本気で嫌がっていないことなど明白であり、今更顔色を窺うまでもない。ちゃんと理解しているからこそ、こうして誘いに来ているのだ。四畳半の部屋は散らかり放題、これでは女性を部屋に上げることなど不可能ではないか。かおりさんを連れてくるのが精一杯だ。そんな余計な思考は一旦置いておく。口に出さなかっただけマシである。外に出ると、天気が良く晴れ晴れとして心地良い風が吹いていた。憎たらしい程のお出掛け日和である。こんな日にできた予定が同性の友人との食事とは、やや物悲しいが仕方ない。あの味を欲しているからか、自然と頬が緩んでいた。裏声を用いて身体をくねらせつつ、彼へと寄り添う。ふざけているうちに目的地へと辿り着いた。空腹を刺激する香りに腹の虫がぐうと音を立てる。早く食べたくてウズウズする。誤魔化すように話題を投げ掛けてみた。予定などまったく決まっていないが、なんとなく楽しくなりそうな気がした。恐らく良好な天気が好奇心を刺激しているのであろう。あの部屋に戻るだけでは何も起こり得ない。好奇心の赴くまま彼と過ごす心算で。)
そうよ、アタシ寂しいの。だからあなたと一緒に出掛けたいの。構ってくれなきゃ嫌。
それにしても、猫ラーメンは格別ですね。匂いを嗅いでいるだけでお腹が減ってきます。食べ終えたらどうしましょうか。そのまま帰るだなんてつまらないですからね。
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