『２人が織りなす景色』

其のつもりはもうねぇよ。
（まるで心配、と書かれた顔に可笑しくなってきてしまい、小さく笑みを零し。きっと彼は分かっているんだろう、体調を崩している事なんて。隠そうとしている事も。既になっている事だが、体調を崩すだろうと遠回しに忠告する彼へ、人の出入りもあるし勿論もう完全に寝落ちる事はしないとでも言うように告げ。ＰＣを前に、画面を開けば破損してないかを軽くチェックしながら作られたような微笑を視界の端で目に留め。隠語を使えば、彼は表情の節々に興奮冷めやらぬと云った様子で表れており、其処から導かれる事情を見透かし。強がってしまう自身を見越して、距離感を測りながらも居てくれようとする彼の心遣いに有難く感じながらほんの少し緩くなった双眸を向けて。其の気遣いに示唆し、お礼を述べてみる。先程纏めた薬物の資料を使って見せながら、相談事をしようと口を開く。側には書き留める為の物を用意し。症状は幻覚、幻聴、高揚感と色々あるが其の中でも幻覚に特化された薬物はスピード、チョコ、スノウ、ラムネ、ＮＭＤＡが資料にある中で何れを指すだろうか。口を衝いたように聞ければ素直に休むか吐露して。）
へぇ、そうなんだ。其の前に休養を言い渡されたってところか。
そう云うところ、マジ助かってる。じゃあ、薬物乱用者は１回手を染めたらやっぱ更生施設ってのに入らない限りは中々治らねぇもんなの。幻惑？幻覚？ってのが症状で一番すんのは此れらの中で云ったら何れなんだ。聞けたら、休もうかな。