中華娘 2024-03-28 09:57:33 |
通報 |
うん、悪くない。他にもたくさんの種類があったようだし……今度の散歩では別の味を買っていこうね。
(片割れを彼女に手渡してから、手元に残っている方のドーナツに口をつける。値段はそう高くないけれど、砂糖と小麦の素朴な甘さは心にスッと染み込んでくる優しい味で。実家にいた頃よく出されていた、料理人たちが腕を振るって飾り立てた美しく繊細なスイーツにも負けない美味しさは、ドーナツそのものの味もさることながら、隣で幸せを全身で表現しながらキラキラした瞳で美味しそうにドーナツを食べる従者のおかげでもあるのだろう。従者を守り、従者に幸せでいてもらうことが良き主人の務めというものだ。まだまだ何種類もの美味しそうなドーナツが並んでいた露店を思い出しつつ、またあの店に行こうと決意し。口いっぱいにドーナツを頬張る従者の横で、品よくゆっくりとドーナツを食べ進めていたが、そのうち口の中が乾いてきて、けほっと軽くむせ)
トピック検索 |