とある殺し屋 2024-03-06 09:39:26 |
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[ テストロル ]
( 冷ややかな風が頬を撫ぜる度、寒気に肩を僅かに竦ませていたが、何時間も歩いていれば案外慣れてしまうものだ。己よりも遥かに背丈のある彼の背中をひたすら追い掛けていた矢先、不意に彼が振り返った。何事かと紅く色付いた足先を揃え、釣られて立ち止まりただ静かに上目に視線を交える。顔を見なくとも時折薄ら聞こえた溜息などにより彼が不機嫌そうなのは感じてはいたが、とうとう拳銃を取り出す始末に双眸を幾度か瞬かせた。仄暗い路地裏にて鳴り響く音、一冊の本を抱えていた両手に力が籠もった。きっと──、このまま撃たれるかもしれない、なんて思うのは恐怖や切望でも無い。これで良いのだと。だってもう何処にも居場所は無く、長年虐げてきた両親ももう居ない──そう、己にはもう何も無いのだから。 )
さっきも言った。…わたしを連れてって、って。そうじゃないなら、殺してとも。
( 漸く唇を開いたかと思えば、淡い声色で告げながら怖気づく事無く再び彼へと一歩を踏み出す。付いて行く意思が薄れていないかの様に、先程よりも距離を詰め目前にて顔を上げて見詰め。 )
( 刺さる子が作れて良かったです!殺し屋さんも本当に素敵で、端から見たら誰しもが強いお方と思うだろうに、実はそれ以上の弱さを奥深くに抱えてるのが堪りません…!
そしてテストロル遅れましたが提出させて頂きます、お手隙の際にご確認の程よろしくお願いします。 )
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