「いつになったら勇者様は現れるの?」
憤懣やるかたない様子で窓から城下町を眺めながらお姫様は質問を投げかけた。
「存じ上げません」
「魔王が復活して早数十年。誰も魔王を倒せていないじゃない。魔王を倒すと言われてる伝説の勇者様が現れた話も聞かないし」
「……」
お姫様の言葉に側近は何も言えず黙り込むしかない。
「そうだわ」
ふいに何か妙案が浮かんだかのように立ち上がるお姫様。
「誰も魔王を倒さないなら、私が倒してしまえばいいのよ」
「……は?え?いや、なにを仰っているのですか!?」
「このままでは近いうちに世界が滅んでしまうわ。すでにいくつかの小国は滅ぼされたと聞いてるもの。誰も立ち上がらないなら私が立ち上がらないと。さ、思い立ったが吉日!さっそく準備して出発よ!」
「ま、待ってください姫さまぁぁぁあ!」
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
(/笑いあり涙あり、たまにシリアスやバトルもあるファンタジー世界へようこそ。姫さまはあなたの協力をお待ちしています。さあ、準備が整うまでしばしお待ちください。)