毒林檎 2024-01-21 14:39:57 |
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私の毒はさぞ甘かったでしょう。今の時期は蜜が沢山詰まっていて…、おやすみなさい、小さな姫君。
(彼女の口ぶりは何も怪しむ様子もなく、それどころかどこか好奇心すら感じるもの。不思議な子なのは昔からだ、と小さく笑えば言葉を続けるものの視線を落とせばまた眠りにつきそうな彼女の姿が。口を噤んで屋敷まで運べば地下にある自室へと入っていき。ベッドメイキングは鏡の間に住む別の使用人がしてくれていたらしく、まっさらな白いシーツの上へ彼女を下ろせばふわりと毛布を掛けてやり)
甘いものは好きでしょうか…、私、林檎料理しかできませんけれど、
(ここに来て自分の料理の知識を思い出しどうしたことかと眉をひそめて。とりあえず何か食べさせなくてはと隣にあるキッチンへと入っていき、冷蔵庫を開けてまだどくのか買っていないリンゴをひとつ、櫛切りにしていき。最後のスパイスとして自身の指先を噛み、そこから零れた毒を1滴だけ落とし、それを持って嬉々として彼女の元へと戻り)
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