匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(割れた壺の出処を聞くと、そんなに年代物だったなんて、と内心少しばかり焦る。しかし、言われてみれば此処にあるのは同様に歴史あるものばかりだろうが、実際表に出されることが無いのならば彼の言うとおりガラクタ同然なのかもしれない。まぁ、それでも多少罪悪感は残るが。
それにしても、これだけの物が献上されていたのかと考えると、昔は大層人で賑わっていたのだろう、と当時の光景を想像してみる。だが、そんな想像もいつの間にか隣へ来ていた彼に腕を捕まれた事で現実へと引き戻された。)
…だって、貴方皮肉ったらしいから怪我したなんて言ったら─……、。
ねぇ、ただの私の不注意よ。片付けなら私も手伝うわ。
( 何故隠すのかと問われれば、思っていた事を正直に白状するものの、指の出血を見て動きを止めた彼を不思議そうに見つめた。何やら考え事でもしているのか、じっと鮮血を見る彼に何やら不安を感じ、名を呼ぼうとした。しかし、その刹那気まずそうに掴まれた指は解放され、開きかけた口が閉じる。
しかし、すぐにまた口を開くと、彼の手に怪我をしていない方の手でそっと触れると、彼の気持ちを暗示してか否か、小さく微笑みかけた。)
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