匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(茶碗と箸を下げる相手へ再度礼を述べてから、何やら準備をしている背を眺めつつ彼からの返答を聞いていて。その後差し出されたものはどうやら薬のようで、湯呑みと共に粉を溢さないように受け取る。しかし、彼の言葉をそのまま聞きながら顔を上げると、そこにあったのは自分の顔で、思わず、わ、と小さく声を上げて驚く。だが、自分の顔がこうして目の前にあるのはなんとも不思議で、変化の能力を目の当たりにして心做しか目を輝かせる。)
私って、そういう風に見えているのね。
…それにしても凄いわ、声まで変化できるなんて。
(憂いを帯びたその顔はなんともつまらなさそうで、客観的に見るとこんな感じなのか、と少しばかり恥ずかしく思う。しかし、声までもそっくりに変化できるなんて、労力を使う理由がよく分かる気がする。しかし、先程のような人型ではあまり労力を使わないと言っている所を見るに、“誰か”に化けるのが大変だと言うことだろうか。とにかく、あまり疲れないのなら此方がとやかく言うことではないな、と納得する。
そして受け取っていた薬を口の中に含むと、現代で調合された薬と違って薬草の苦さやエグ味がそのまま味覚に伝わってくるためやや眉間に皺を寄せるが、そのまま湯呑みの水を流し込んでなんとか薬を飲み込んだ。)
……お粥に薬まで、本当にありがとう。手間を掛けてしまってごめんなさいね。これできっと、すぐに良くなるわ。
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