匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…そういう事。まぁ、私のせいであの子達の将来が滅茶苦茶になってしまっても後味悪いし、本気ではないわ。
─…確かに、私は愚か者よ。人間って単純だから、あるかも分からない少しの見返りのために頑張ってしまうものなの。
(何やら納得したように首を縦に振る相手には、少しばかり気恥しそうに笑い、あの願いは本気ではなかったと誤魔化しておく。全て引っ括め、自分が最も落胆したのはあの子達や同僚にではなく、他でもない自分自身だったから。
そして、筆を置いた彼の瞳と視線を合わせれば、愚かだと言われた言葉には納得して肩を竦める。先程からどうも調子が可笑しいと思っていたが、どうやら熱があるらしい。あの雨に打たれ、仕事から解放された気の緩みと、現実離れした状況への疲弊に少しばかり休憩を挟んだことで、今まで張っていた糸がプツリと切れてしまったようだ。これまで体調なんて崩さずに─というよりも、気付かないふりをして耐えてきた─為に自分でも自覚がなかった。これが、不調というものだったか。
一頻り話終えると、休め、の言葉に「そうさせてもらうわ」と呟くように返答する。先程起きたばかりだし、どこか散策できる場所でも無いものかと思っていたのだが、今回ばかりはその言葉に甘える事にしたらしい。
再度身体を布団の中へと滑り込ませていたが、ふと、甘えるついでに思い出したことがあったようで、ダメ元で尋ねてみる。)
…イナリ様。愚かな人間から1つお願いごとがあるのだけど。
その耳か尻尾、触らせて貰えないかしら?
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