匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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(ポーチを受け取って嬉しそうに耳を動かす相手を見ると、いつかあの耳や尻尾に触れてみたいわ、なんて願望を抱きつつ、喜ぶ姿にクスりと笑って。口元に手を当てて小さく欠伸を漏らすと、飴を噛み砕く音が聞こえたので、その時に初めて自分が無意識に噛んでいたことに気付く。
自分を模倣して飴を噛んだとするとなんだか申し訳ないな、なんて考えつつ、そのまま目を閉じてしまおうかと頭を壁へ擦り寄せた時、部屋の隅に置かれていた布団をわざわざ引いてくれたのを見て、ぱちぱちと2回ほど瞬きを行った。社に客人用の布団があるとは考えにくいし、これはきっと彼自身の布団だろうと思考を巡らせ少しばかり躊躇したが、折角用意してくれたのだし、と布団へ手をかけて。)
……ありがとう。少し借りるわね。
(早々に繧繝縁へ戻っていく彼の背に礼を述べながらゆっくりと横になる。ごろりと横を向いて口元まですっぽり布団に包まると、草木の──先程と同じ落ち着く香りに包み込まれ、あっという間にうとうとと瞼が重くなっていく。
今の状況への喜びと、不安と、…様々な感情に自分でも気付かぬ間に疲れていたようで、数分も経たないうちに小さな寝息を洩らし、すっかり寝落ちていた。 )
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