匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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気に入ったなら残りもあげるわ。あと幾つか入っている筈だから。
(此方からの返答に眉間へ皺を寄せたかと思えば、飴玉1つで目を輝かせる様子に小さく笑みを洩らす。呟かれた言葉と振られる尻尾を見た限りどうやらお気に召して貰えたようで、再度飴玉の入っているポーチを拾うと今度はそれを差し出す。疲れた時や考え事をする時によく食べていた様で、中にはあと5つほど飴玉が残っていた。捧げ物とするには物足りないが、彼も甘味を食べるのは久しぶりなようだし、少なからず無礼を働いてきたお詫びのつもりらしい。
ポーチを差し出した後は傍の壁沿いへ移動し、壁に凭れかかってその長い髪を手梳いた。その最中、癖なのか、口の中で転がす飴を無意識に噛み砕いていた。それと同時に微量な痛さと鉄の味が口の中に広がり、この状況が夢では無いことを改めて実感させる。舌先からじわりと滲む生暖かな感覚に身震いしながら、砕けた飴を飲み込み肩の力を抜くと、なんだか一気に疲れた出てきたような気がして、ゆっくりと瞼を閉じながら呟く。)
……イナリ様、私、少しうたた寝しても良いかしら。なんだか眠くなってきたわ。
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