匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…私、正直なところだけは取り柄なの。
まぁ、おかげで疎まれたのだけど。
( 返ってきた返答にそれだけ言うと小さく肩を竦む。自身の感情などに関してはあまり表に出すことは無いが、思ったことは割と率直に口に出してしまうため、そこが長所でもあり短所であると自分自身でも分かっていた。変なところで意地を張り意見を言うものだから、同じ職場の人とは良い人間関係は築けなかったし、生徒からは陰気臭い教師と思われ馬鹿にされていた。要は自業自得でもあるのだ。
彼の言う通り、天罰が下ればいいのに、と思ってあの雨の中願い事もしたが、…それでも、未来ある生徒たちに罰を与えるのは正直気が引けた。子どもたちにあんな態度を取らせたのも、紛れもなく自分の所為だと思うから。
そう考えながら、暫く下げていた視線をちらりと上げて相手を見る。繧繝縁の上に座る相手をじっと見ると、本尊が無いことに気が付きはするが、そこに触れて良いものかどうか少しばかり考える。加えて、社の中なんて細かく知る由もなかったのだが、とても静かで物寂しいところだとは思う。
視線を彼から傍で揺れる蝋燭の炎に移しながら、既に不敬な事を散々したのだから、と妖に対して気を遣うことはやめたらしく、その持ち前の正直さで質問を。)
………愛は分からない、と言うけれど、“寂しさ”はなかったの?イナリ様は、500年以上もずっと、ここに居たのでしょう?
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