匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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……自分で申したこと位、覚えてなくてはならんな。
(貴方のおかげだ。改めてそんなことを言われると、ああ、そんなことを言ったなと今更ながらに思い出す。何気なく言った言葉であったはずだが、彼女はそれを明確に覚えていて、きちんと守ってくれていたのだ。そんな彼女と裏腹に自分で言ったことすら覚えていない不誠実な自分を自嘲気味に鼻で笑う。同時に彼女からの問い掛けに、小さく息を吐くとこれ以上隠し果すことは出来ないと観念する。あの静かな声色で真剣に問いかけられては、逃げることは出来ない。イナリは初めて人間に胸中を打ち明けることを決意した)
…最初はお主の言うように、ここに留めておくつもりなど毛頭なかった。お主を神隠ししたのも我の気まぐれよ。飽きたら何ぞ理由を付けて放り出せば良い。そう思っておった。
…じゃが段々とお主に違和感を覚えた。お主と居ると、今まで感じたことの無い感情や、見て見ぬふりをしてきた思いを具に感じさせられた。料理が美味い。一緒に居ると退屈せん。孤独が紛れる。そうやってお主のことを知れば知るほどな。
…今宵まで分からんかった。否、分からぬふりをしてきたが、先の聞こえぬふりをしたお主の言葉で、ようやっと覚悟した。
…日向静蘭。我はお主に懸想している。
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