匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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──あら、お米も炊いてくれたの?
(彼が溜息を零した直後、その背後からひょっこりと顔を見せれば鍋の中身を見て声を掛ける。どうやら、彼が着替えを済ませ考えを馳せている間に、此方も湯から上がって着替えを済ませ戻ってきていたらしい。髪を再度結い直し貰った小袖を身につけているその姿は、充分に温まったらしくほんのりと血色良く頬が赤らんでいた。
そのまま食事の準備に取り掛かろうかと袖が汚れないように折りながら、またちらりと相手へ視線を移す。先程声をかけた時には気づかなかったが、少しの違和感を抱いて着物へ目をやると、風呂まで駆け付けてくれた時の着物とは柄が変わっている事に気が付いた。どれも黒い着物故に大きな違いはないように思えるが、この着物も立派なもので、彼にはよく似合っていた。同時に自分の所為で着物が汚れてしまったことを思い返すと少しばかり申し訳なさそうにして。)
…さっきの着物。本当にごめんなさい。後で綺麗にしておくわ。あと、藤柄もよく似合うのね。
(買い出しでたくさん購入した油揚げの袋を2袋ほど手に取ると、野菜や調味料なんかも取り出して料理の準備を進めていく。)
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