匿名さん 2024-01-05 19:35:07 |
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…そうか。存外種類があるのだな。現代の衣服は。
(店員に声を掛けられる心配がないと分かると、胸を撫で下ろし彼女の忠告通り、商品を見ているフリをしている。彼女が目を付けた商品を手に取りながら、感心したように呟く。「わんぴーす」などという衣は初めて見た。他にもイナリにとっては馴染みにのない服ばかりで、興味が惹かれ、キョロキョロと店内を見回す。彼女のことだから恐らくは自分に気を遣って、テンポよく商品を選んでいるのだろうが、今のイナリはこの空間が物珍しく、己の体力のことなんてさっぱり忘れていた。そうやって観察をしていると聞こえてきた彼女の小声に「どうした」なんて首を傾げ、返ってきた彼女の返答に一瞬、目を見開く)
……必要なもの故、買わん訳にはいかんじゃろ…。
可及的速やかに選べ…良いな?
(イナリは狐であって鬼では無い。生活に必要なものを買い与えない訳はない。それに彼女は女性で、何かと入用が多いことも知っている。だから彼女に耳打ちすると、重い足取りで下着売り場へ歩みを進める。観察していて分かったが、どうも服屋というのは男性用と女性用のものを分けて売っているようだ。例によって下着売り場も女性と男性のは分けられている。性別で分けることで混雑を解消したり、「ぷらいばしー」に配慮したりなど様々な事情があるのだろうが、ことここに至っては、いっその事売り場を混同してしまえと思う。言ったそばから付近を歩いていた人間から奇異な目で見られた。普段だったら女子に化けることなど造作もないが、流石にそんな体力は残されていなかった。己の体力の無さを嘆きつつも、あまり目に入らないように出来るだけ遠くを見ながら彼女が選び終わるのを待っていた)
(/ お待ちしておりました!)
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