1000人のユーザーによるベータテストを経て世界初のVRMMORPG「ソードアート・オンライン」(SAO)の正式サービスが開始され、約1万人のユーザーは完全なる仮想空間を謳歌していた。
しかし、ゲームマスターにして開発者である天才量子物理学者の茅場晶彦がプレイヤーたちの前に現れ、自発的ログアウトは不可能であること、舞台「浮遊城アインクラッド」の最上部第100層のボスを倒してクリアすることだけが脱出する唯一の方法であること、そしてキャラロストした場合には現実世界のプレイヤー自身が同様の運命をたどることを宣言した。
後に「SAO事件」と呼ばれることになること事件は、キリトとアスナという二人のプレーヤーによって収束する……はずだった。
だが、もしその二人が何らかの事情でゲームを入手できなかったら、もし、茅場が宣言するまで何らかの事情でログインしていなかったら……この事件はどんな結末を迎えるのだろう。
これは、ありえたかもしれない主人公たちの不在の物語。