狂王 2023-12-28 16:15:42 |
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>迷宮ー第四階層
(抜き放った鏃は見事に大蝙蝠を射抜いた。これで少しでも彼らの逃避の助けになれただろうか、そう小さく吐息を漏らした瞬間、魔法士らしき男の攻撃が背後のアウルベアへと放たれ反射的にその光線を目で追いかけた先で振り落とされかけた右腕が吹き飛ばされた。アウルベアの咆哮が響き渡り、吹き飛ばされたことにより吹き出た血が自分の髪を一部染め上げる。興奮したアウルベアの視界には自分が標的として映し出されているかもしれない。だが至近距離ゆえに反撃は出来ず、興奮したアウルベアの間合いから逃げる時間すらさえもなかった。覚悟していたモノがただほんの少し伸びただけだ、なんて自嘲気味に笑そうになった時アウルベアの頭上に何かが落ちてきた。凄い音がした気がする。脳震盪を起こしたのかふらつくアウルベアと自分の前に現れた黒い物体、いや屈強な体躯をしている男。彼はこちらに気づくや武器を倒れはしなかったアウルベアへと向けながら交渉し始めた為、目を丸くし)
あらあら、まぁまぁ。誰かと思えばシグルクさん。ごきげんよう~。お姉さんの護衛の提案してくれるのは嬉しいんだけど~。あそこにいる若い子たち3人を助けるのが先決だとお姉さんは思うな~。
(うふふ、とさっきまで「死」を覚悟していたとは思えないような脱力した口調で知り合いの交渉を軽くいなしてから、少し離れた場所にいる3人の若人たちを指して逆に共に救出しないかと提案した。やはり自分よりはまだ年若い子達を、窮地の中でも自分を助けようと足掻いてくれた子達を救出したいのが本音で、少し小首を傾げて再度確認を促し)
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