通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
……ああ…確かに、僕も服を選んでおいた方が良いかもね。ありがとう、母さん。
(「彼」が思い出したように"お姫様"と取り付けた約束を口にすると─母親はまあそうなの、と酷く楽しそうに笑いながら、「彼」に対して普段着で良いのか、と問い掛けた。顎に手を当てて考え込んだ後─母親に断りを口にしてリビングを後にし、隣の衣装部屋へと足を踏み入れる。父方の実家から大量に持ち込まれた上質な素材の服を手に取り、少しの間悩んでいたが─漸く服を決めたらしい。高級なブランド物ではあるが、シンプルなジャケットスタイルを小脇に抱えて部屋へと戻り)
【葵依】
……そうだろう?俺が文字を教えたんだ。
(裾を引っ張られた彼は小町の方に目線を向け、無邪気にはしゃぐ少女の姿を慈悲の籠もった眼差しで見つめていたが─ややあって、少女が顔を赤くしながら裾から手を離してしまった。堪えきれない笑みを零しつつ、少女の頭をぽんぽんと優しく叩く。当の小町は状況が良く分かっていないのか─何処かきょとん、とした様子で首を傾げるばかりで「わたし、なにかしてしまいましたか」と新たに書き付けた懐紙を見せながら少女の顔を狐の面越しにじっと覗き込んで)
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