通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
……何だい、母さん。
(母に呼ばれて階下に降りた「彼」は、父と母に手招かれるままリビングのソファに腰を下ろして問い掛ける。どうやら用事は何てことのない、"お姫様"は元気か、とのことだったらしい。胸を撫で下ろすようにして─普段の「彼」なら見せない、年相応の柔らかな笑みを浮かべて答え)
……ああ、硝華なら…元気だよ。今も昔も変わらない、僕の大事な"お姫様"さ。
【葵依】
……ふふ、有り難いよ。小町と二人きりの時間は─退屈ではないが、俺にとっても…小町にとっても、随分長過ぎたからね。
(彼女の優しく、心底彼を心配しているような声に─彼は目を見開いた後、一際柔らかく微笑んだ。一方、親愛の籠もった笑顔付きで「可愛い」と評された小町はと言うと─何処か恐縮するように首を左右にふるふると振った後、小紋の袂から小ぶりな懐紙を取り出して─小さな手に良く似合う、小さな筆を手に取ってさらさらと文字を書きつける。小町は彼女に「そんなことはありません」と容貌に似合わず流麗な筆致で文字の書かれたその懐紙を控え目に見せて)
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