通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【 妃 硝華 】
ええ、もちろん。
お母様によろしく伝えて頂戴な。
( スピーカーにしていたせいか、ふと遠くから聞こえた〝彼〟の御母堂の声に気付けばしっかりと此方に断りを入れてくれる相手の優しさや気遣いにふと笑顔になれば快く送り出し。そういえばお母様にもしばらくお会いしていないなぁ、なんてのんびり考えながら硝華は手持ち無沙汰にクッションのタッセルをくるりと白魚のような細い指に巻き付けてはもうすっかり恐怖心もなくなり雨粒が窓を叩く音をBGMに小さく鼻歌を歌い始めて。 )
【 椿 】
……暇な時なら、来てあげてもいいわ。暇な時だけど!
( 虚空に向かって彼の優しいテノールが零したのは、今まで長く孤独でいたヒトでない者の悲しげな呟き。椿は其れにきゅ、と心を締め付けられるような心地を覚えては思わずと言ったように上記をぽろりと。だがやはり気恥しさが勝ってしまったのかそれを誤魔化すようにお茶を美しい仕草で一口啜り。だがしかし椿の幼い意地っ張りも可愛らしい鈴の音の返事にまたぱちりと瞳を丸くした後に「 かわいい、 」とふにゃふにゃ花がほころぶように笑って。 )
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