通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【 妃 硝華 】
ふふ、実はお父様もお母様も学会が入ってしまって行けなくて。
断るのは申し訳ないし、折角なら薫も羽を伸ばせたらなあって思ったの。
( くすくすと柔らかく微笑みながら上記の理由を答えては、普段部活に精を出している〝彼〟を見ているせいか少しでもリラックスして休んで欲しいという我儘をひとつ。招待されたリゾートは温泉施設もあり今回は更にスイートルームでの宿泊なのでリラクゼーションにはもってこいだ。「 だからむしろ一緒に行けたら嬉しいわ。 」とほろほろと笑えばふわふわのお気に入りのテディベアを抱きしめて。 )
【 椿 】
ふふ。……ありがとう、小町ちゃん。
( 恐らくこの子もヒトではないのだろうが ─── 見た目は狐面を被った幼い少女だ。椿もそんな彼女には警戒心もなにも抱かないのか、ぱっと花が咲くように笑えば彼の隣にちょこんと腰掛けた狐面の少女へと笑いかけて。自分の母が開いている華道教室にはこの少女の見目年齢と同じくらいの少女たちも多数いるため、お姉さんとして彼女らの面倒を見るのは慣れっこだ。ふわり、と漂うお茶の香りは香り高く格式高い茶葉なのだろうなとふと思いつつ椿はふと外に視線をやれば、そういえば畳の上でお茶を飲むことはあってもこうして外の景色を見られる濡れ縁でお茶を飲むのは初めてだと椿のさくらんぼ色の唇は緩く口角を上げて。 )
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