通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
…予定は空いているけど…良いのかい?
(「彼」は"お姫様"からの問い掛けに眉を下げ、宝石のような両目を睫毛で覆い─困ったように微笑んだ。一方、手では読み終わった文庫本を閉じ、本棚へと静かに戻す。背中を預けた拍子に、マホガニー材の椅子がキィ、と軋む音が微かに響いた。)
【葵依】
─助かるよ、小町。…小町も座りなさい。
(彼と少女が濡れ縁に腰を下ろした少し後、木立の中から狐面の少女─小町がひょっこりと姿を見せる。その白い手には茶の入った湯呑みと煎餅やらが盛られた器が乗せられた紅葉柄の盆を持っており、それを彼と少女の間に置くとぺこり、と頭を下げて立ち去ろうとする─のを、彼が引き止めた。小町は一瞬躊躇うようにその場で足踏みをしたものの、やがてこくりと小さく頷いては彼の隣へと駆け寄り、すとんと腰を下ろす。)
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