通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【 妃 硝華 】
まあ。いつだって薫は私の力になってくれているわ。
( まるで自然のパーカッションのような雨粒の音のBGMは夜の雰囲気も相まって実に幻想的。スピーカーにーしたスマートフォンから聞こえる声はまるで〝彼〟が隣にいるような感覚すらもして、硝華はころころと鈴が転がるような笑い声を漏らして。「 …あ。そうだわ。薫、次の土曜日と日曜日は部活かしら?お父様の取引先の社長さんがね、リゾートに招待してくださったんだけれど一緒に如何? 」と学校で〝彼〟に聞こうと思っていたがすっかり忘れていた用事を思い出し。 )
【 椿 】
……綺麗、
( 玉砂利に擦れる艶やかな黒髪にふと視線を向ければ、歩く度にそのキューティクルが木々の間から差し込む太陽の光に照らされてきらきらと光りまるでシャンプーのCMのようだと小さな声でぽそりと素直な感想を零して。少女たちが喉から手が出るほど欲しているであろうその美しく長い髪は幼い頃に絵本で見た長い髪を持ち塔の上から王子様を待つプリンセスを思い出す。彼に手招かれるがまま、馬鹿正直に隣にすとんと腰を下ろしては座ってもやはり自分よりも視線が上にある彼を蘇芳の瞳で見上げて。 )
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