通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
─硝華、大丈夫だろうか。
(暫くリビングで寛いだ後両親に断って自室に戻り、小さな文庫本を読んでいると─ざあざあと降る雨の音に混じってゴロゴロ、と窓の外で雷鳴が響いた。柔らかな色をしたブラウンダイヤの両目が鮮やかな金色の稲光を映して、ふと気になったのか─"お姫様"の名をぼそりと呟く。)
【葵依】
…いいや。─それ程気になるなら、全て見せてあげよう。俺が、全てを隠す理由を─。
(首を傾げる少女を愛おしそうに見つめて首を横に振り、浮世と彼を隔てる壁─薄布に手を掛けた。彼の手によってひらり、と捲られた薄布の下には─柔らかな光を纏った金色の瞳が目立つ端正な顔をした美丈夫と、その抜けるように白い肌を覆うような形で紅の文様が浮かんでいる。彼は意を決したように右腕を覆う為の羽織も脱いでしまい、露出した異型の右腕には─それを押さえ付けるかのように赤黒い包帯が幾重にも固く巻き付けられていた。)
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