通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【 妃 硝華 】
─── …貴方が私の王子様でしあわせだわ。
( 額に柔らかな唇の感触が落ちて、それから何時もならば不安で仕方のない不機嫌な雷様の声をBGMに自宅へとエスコートされる。先程までの不安でいっぱいな心はいつのまにか柔らかく暖かな気持ちに変わり、いつこちらに大きな雷鳴を轟かすか分からない状況なのに不思議と恐怖心はない。あっという間に家に着いてしまったものの、残念なことに両親は不在。わふ!と自身の〝彼〟の帰宅を喜ぶ愛犬の頭をわしゃりと撫でては、大好きな愛犬と大好きな幼馴染がいる家に帰ってきたことにほっと息をつき「 送ってくれてありがとう、薫。……寒くない?濡れてない? 」と不安げにエメラルドグリーンの瞳を揺らしては〝彼〟が濡れていないか確かめるようにそっと頬に手を当てて。 )
【 椿 】
ええ、そうよ。
だって此処に独りだなんてあまりにも……寂しい。
( 昨日と同じように自分の前に姿を現してくれた彼にぱ、と一瞬表情を明るくさせたあとにいつもの凛とした表情に戻り。それから自身の手に持った花束に視線を落とせばゆっくりと彼に近付いてヒトならざるその手にそっと其れを握らせればぽつりぽつりと言葉を落として。「 これはね、ダリア。花言葉は華麗、栄華。それからこれは─── …。 」と花たちの花言葉や名前を説明していけば、ふと花束から視線を上げてはぱっと花に負けない笑顔を浮かべて「 素敵でしょう? 」と黒布の向こうの彼の瞳に微笑みかけ。 )
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