通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
そうかい?なら良かった。…レディを待たせてしまうなんて、紳士失格だね。
(穏やかな笑顔で待っていないと首を振る"お姫様"に眉を下げ、少しばかり申し訳無さそうな表情を浮かべる。彼女の手を引いて歩き出す直前─用事は終わったのか、と尋ねられれば爽やかな笑顔に戻って頷き、再び腰に手を回して優雅に"お姫様"のエスコートを始めた。あらゆる生徒の羨望の眼差しを一身に浴びながら校門を出─とうとう降り出した、ポツポツと髪を濡らす雨にも動揺すること無く折り畳み傘を取り出し、"お姫様"が濡れないよう彼女の方へと傘を傾けて)
【葵依】
…すまないね、お嬢さんが可愛らしいもので…つい子供扱いをしてしまったよ。
(笑い声を上げながら少女の華奢な手を軽く握り、彼は古びた石段を一段一段確かめるようにして降りていく。絶えずざわめく「ひと」ならざるモノは少女を先導する彼の気配に怯え、そのざわめきは次第に遠ざかっていった。麓まで降りる時には耳が痛いほどの静寂が辺りを包み、烏の鳴き声もぴたりと聞こえなくなる。彼は麓で少女の手を離し、柔らかな声で別れを告げ)
…久方振りに「ひと」と話せて楽しかったよ、お嬢さん。嫌で無かったなら─またおいで。
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