通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
…だろう?
(「彼」は美しい微笑みと共に"お姫様"から頬に手を添えられても柔らかく微笑み返すだけで、宝石のような双眸を愛おしそうにきゅう、と細めた。─そうこうしている内にエスコートは終わり、"お姫様"と「彼」の教室へと到着する。お互いの座る席へお互いを案内し、腰へ回していた手がふと離れた。「さて…キミと離れるのは名残惜しいけれど、少しお別れだ。…授業の時間さ。」手を離した後に軽く一礼し、「彼」は自身の座る席へと腰を下ろして)
【葵依】
…椿か…とても美しい名だね。お嬢さんに良く似合っているよ。
(彼は風に揺れた黒髪に気付けば優雅な所作で元の位置へ戻し、眼の前の少女─"椿"と言うらしい─名を聞くとゆっくりと顔を上げ、薄布越しに微笑んだ。それから少し後、少女に名を聞いておいて自身は名乗っていないことに気付いたらしく、少し考え込むような素振りを見せる。はて、自身の名は一体何だったか─浅緋…と言っただろうか。違う、それは友人の名だ。長らく封印されていた所為か、記憶が曖昧だ─首を捻って考え込んだ後漸く自身の名を思い出したらしく、少女を真っ直ぐに見据えて口を開き)
─俺は、葵依と云う。ただ随分長い間、そう呼ぶ「ひと」の子は居なかったものでね─危うく忘れるところだった。
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