通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【薫・クリフォード】
やあ、硝華。今日も相変わらず美しいね。キミが来ると、彼女たちの美しさが霞んでしまうよ。
(花壇に水を遣っていると、背中から鈴を鳴らしたような柔らかい声が聞こえた。声の方を振り向けば、そこには─エメラルドの瞳に柔らかな髪をハーフアップにまとめた幼馴染が立っている。空になった如雨露を持ち上げ、後ろで水を滴らせて輝く花々に勝るとも劣らない爽やかな笑みを浮かべ、彼女の方へ歩み寄った。その白魚のような手を取り、歯の浮くような台詞を吐いてから─手の甲へと軽く口付けを落として)
【葵依】
……おや、ひとの子…珍しいな。
(彼が歩く度に長く伸ばされた黒髪が地面に擦れ、まばらに敷き詰められた玉砂利をざり、と鳴らす。─永久を生きる彼にとっては刹那の間であるが─数百年の封印を経て、漸く彼を封印していた一族は子々孫々に至るまで死に絶えた。久方振りに見る鳥居の下には見慣れない服装の少女─彼を封印していた一族ではない、正真正銘の「ひとの子」が何やら座り込んでいる。小さく呟いた後、薄布の下で楽しげに微笑んだ彼は音も無く彼女の背後へ歩み寄り、その肩にぽん、と手を置いて─「…こんにちは、お嬢さん。こんな寂れた神社に、何かご用かな?」と柔らかく声を掛け)
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