通りすがりさん 2023-12-27 11:12:37 |
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【 妃 硝華 】
─── 薫 ?
( さて学校について園芸倉庫に入れば、1つ如雨露が見つからない。誰かが使っているのだろうか、なんて首を捻りながら1つ如雨露を手に取り水を組めば何の気なしに花壇へと歩を進め。─── ふと視線をあげれば、そこには朝の光にキラキラと光る美しい金の絹糸の髪と彫刻のような横顔の美男…否、幼なじみの彼女が花壇に水をやっており。ぱち、と長いまつ毛に囲われたエメラルドを丸くしてはぽろりと彼女の名前を零し。「 お早う、水をあげてくれてたのね。有難う。 」ふわり、と花がほころぶように微笑めば如雨露を両手で丁寧に持ちつつ彼女の元へ歩み寄り。 )
【 椿 】
……どうして私はこう、思っていることと全く違うことを言ってしまうのかしら。
( 椿は鳥居の下にすとん、と腰を下ろしては体育座りをし、いつもの凛と咲く花のような様子とは一転、小さくか細い声で言葉を零してはまた1つ花のため息を吐いて。?──── と、その瞬間。社…本殿の方から何かもの音が聞こえたような気がしてふと顔を上げるもやはりこの神社には自分以外の人間がいるわけでもなく、椿は何だったのかしらと首を捻りながらまた膝に顎をとん、と乗せながら悩ましげに眉をひそめて。「 ……もっと素直になれたらいいのに、 」小さく小さく呟いた言葉は誰に届くわけでもなく、美しく磨かれたローファーの上にぽとりと落ちて。 )
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