案内人 2023-12-10 19:12:10 |
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【 あなた 】を『 楽園 』の住人にさせようと目論む人間達。彼らが一体何者なのか、本当の名は何なのか、──… 果たして本当に『 人間 』なのか、全ては謎に包まれている。彼らは住む場所こそ違えど、互いに面識があるようだ。
「 おはよう、ダーリン。……やだ、寝惚けているの?ふふっ、そういうトコもとってもカワイイ! 」
「 ねえ、眠くない?わたし、お昼寝したいの。一緒に寝てしまいましょうよ。……だめ? 」
▼ ビオラ ( … 少女の恋 )
齢15歳程に見える女。腰にまで及ぶプラチナブロンドの髪は毛先にかけて緩やかに巻かれ、前髪は眉上で切り揃えられている。おっとりとした雰囲気の垂れ目は穏やかな翡翠色。なんの飾り気もない極々シンプルな白いワンピースに素足。身長153cm。
明るく無邪気。【 あなた 】によく懐き、あどけない少女のように振る舞う。が、拒絶された時には酷く冷たい一面を見せることがある……かも知れない。男女の区分なく、【 あなた 】のことは【 ダーリン 】と呼ぶ。
『 ビオラの楽園 』一面の花畑に囲まれた大きな白い鳥籠。その床はふかふかと非常に触り心地の良い材質で作られており、居心地は悪くない。花畑の先に何があるかは不明。
「 やあ。お目覚めはいかがかな、キティ。何か気分が悪かったり、……そう、それならよかった。 」
「 どうぞ、心が落ち着くハーブティーだよ。うっかり寝てしまうかも、……なんて、ふふ。冗談だよ。 」
▼ クレマチス ( …甘い束縛 )
齢23歳程に見える男。指通りの良さそうな白髪は耳に掛る程度のストレート、前髪は目に掛からないよう軽く右流し。アイスブルーの瞳を持つ涼やかな目元。黒いタートルネックとスラックス、落ち着いたチェックのテーラードジャケットに革靴。身長178cm。
どこかの王子様然とした立ち振る舞い。非常に紳士的で、【 あなた 】には壊れ物を扱うかのように優しく接する。が、その腹の内には何を飼っているかわからない。男女の区分なく、【 あなた 】のことは【 キティ 】と呼ぶ。
『 クレマチスの楽園 』木漏れ日のさす穏やかな庭。その中心にはテーブルと椅子が置かれたドーム型ガゼボ。そう広くはない範囲をよく整えられたクレマチスの咲く生垣に囲われていて、その外側に何があるかは不明。
「 おや、……おはよう。お前が目覚めるのを──……いや。お前が来るのを、心待ちにしていた。 」
「 帰りたい?そうか、なら止めはしないよ。……だが、もう一度よく考えてみてくれ。帰りたい?本当に? 」
▼ アイビー ( …死んでも離れない )
齢25歳程に見える男。赤みがかった焦げ茶色の髪は、毛先にかけて赤みが強くなるロングウルフ。長めの前髪からハイライトのない赤い瞳が覗く。蔦柄が描かれた着物袖の黒シャツに袴パンツ、口元を黒い薄手の布口面で覆っている。身長174cm。
言葉遣いこそ堅苦しく感じるものの、その態度は柔和。常に微笑みを湛え、来る者拒まず。【 あなた 】を無理に引き留めようとはしない。が、常に居心地の良い場所を作りあげ、まるで絡み付く蔦のようにゆっくりと籠絡しようとする。
『 アイビーの楽園 』質素な和室。床の間に座卓、座布団二枚と非常にシンプル。窓の外はまるで池の中に沈んでいるかのように水で満たされ色とりどりの金魚、鯉が泳ぐ。窓の反対側には障子があるがその先に何があるかは不明。
「 あっ、……起きた?えっと、起きたよね。ごめん、変な質問した。じゃあ……お、…おはよう?アナタのことだけを待ってたから、慣れなくて……。 」
「 な、なんで、嫌、置いていかないで。嫌、やだやだやだ……!ずっとここに居て、お願い……。 」
▼ ヨツズミ ( … 無視したら私は死にます )
齢18歳程に見える女。鮮やかなピンクメッシュが入った黒髪ツインテール、前髪も横髪も綺麗に切り揃えられた姫カット。紫色の瞳はつり目だが常に下に向く目線のせいで弱気に見える。黒いサイドレースアップパーカーワンピースにルーズソックス。身長156cm。
自虐的で盲信的。【 あなた 】のことをまるで神かのように扱い、拒絶されたと判断すれば酷く取り乱す。【 あなた 】こそが世界の中心で最も尊い存在、それ故に気に入られようと必死。基本的に言われたことに従うが、決して帰らせたくはない。
『 ヨツズミの楽園 』薄暗い部屋。見知らぬアニメのポスターが壁一面に貼り付けられ、机の上にはざらついた映像の流れるブラウン管モニター。布団の整えられていないベッド。フィギュア棚の横にある扉の先に何があるかは不明。
「 早安!……歡迎光臨、って言うべきかな?ま、どっちでもいいケド。ようやく起きたね、小可愛。待ちくたびれちゃっタ。 」
「 ねえ、アンタ。そろそろ此処に留まる覚悟決めたら?久居爲安、──住めば都!ってネ。 」
▼ ゲッカコウ ( …危険な快楽 )
齢20歳程に見える男。漆黒の髪は一本の細い三つ編みに、纏められなかった短い髪はぴょこぴょこ雑に跳ねている。ラウンドサングラスの奥に覗くのは金色の狐目。臙脂色の中華シャツに黒いスキニー、素足にチャイナ靴。左右の耳にピアスが数箇所ずつ。身長177cm。
軽薄でおちゃらけている。享楽的で刹那主義、向こうの都合なんて二の次で、自分の為【 あなた 】を『 楽園 』に囲いこもうとする。パーソナルスペースは狭い。男女の区分なく、【 あなた 】のことは【 小可愛 】と呼ぶ。
『 ゲッカコウの楽園 』打ちっぱなしの壁にチカチカと点滅するネオン看板が並ぶ雑多な部屋。その内容は中国語、日本語、英語、解読不能な文字まで。様々ながらくたが乱雑に置かれ、実用的なものと言えば黒いレザーのコーナーソファが一つ。重そうな扉の先に何があるかは不明。
──… 【 あなた 】を『 楽園 』へと招き入れたい人間は、まだまだ潜んでいる。こちらへこちらへと招く手が、いつかまた増えるかもしれない。
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