青春中毒-アオハルジャンキー-【〆】

─── きなこ？どうしたの、嬉しそうな声出し、て、……。

( 久しぶりに彼の夢を見た。幼い頃本当の弟のように可愛がってずうっと一緒にいた、〝かーくん〟。本名は藤野 薫くん。歳が隣で両親同士の仲も良かった為に毎日のように遊び、そして……彼に恋をしていた。まだ初恋という言葉の意味も覚えたての小学生の頃。 なにだかとても心がふわふわと浮き足立つような気持ちで、かーくん今何してるのかなあ、引っ越した先でお友達たくさんできたかなぁ。なんてふんわりとカールした柔らかい髪を手持ち無沙汰に指に巻き付けながらもこもこのパジャマ姿でお姉ちゃんぶって彼のことを想う。きっともう自分のことなんて忘れて可愛い彼女が出来ちゃったりなんかして。そんなことを考えながらもう乾いたであろう朝食の後に干した洗濯物を取り込もうと庭に出れば家族の一員であるきなこが嬉しそうにじゃれつく声。普段は人見知りで滅多に人に懐かないきなこが、と驚き半分で声のする方へ顔を覗かせてみればそこには見覚えのない顔立ちの整った男性の姿。太陽を反射して煌めく艶やかな黒髪とぱっちりとした黒瑪瑙が綺麗な、クラスの女の子が見たらメロメロになってしまいそうなカッコいい子。少しかーくんに似ているかも。さらはふわりと花が綻ぶような人懐っこい笑顔を浮かべれば「 こんにちは、うちの子がごめんなさい。びっくりしませんでした？ 」と自分よりも随分高いところにある綺麗なお顔を真っ直ぐ見つめて首を傾げて。 )



( ／ 初回文ありがとうございます…！！きっとわんちゃんの嗅覚ならば何年経っても大好きな人の匂いは覚えてますよね…！！
お言葉に甘えて、初回ですので説明含め少し長文になってしまいましたが次回からはもう少し短くなると思います…！こちらこそ読み辛い等ございましたら遠慮なく仰ってください！


呼び方についてかしこまりました！
幼い頃は〝かーくん〟呼び、今は〝薫くん〟呼びにしようと思います……！強請られたら呼び捨てにするかな？程度の頻度を考えてます…！！ )