匿名さん 2023-11-18 23:17:05 |
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冬。白い息 悴む指先 素寒貧な針葉樹。世界から一色ずつ彩りが無くなり、残るはモノトーン。それが1番落ち着く筈なのに、パレットに塗りたくられた灰色が妙に焦燥感を駆り立てる。まるで世界から置いていかれたよう__とまでいくと芸術家かぶれと笑われるだろうか。だがイーゼルを前に思い浮かぶのはそんなくだらない妄想ばかり。混迷の森の中、光を探して手を伸ばす。
………大抵そういう時だ、チャイムが鳴るのは。溜息を一つ、そのまま掌で落書き紙を丸めた。
「 ……大牙? 」
やや新鮮な呼び止めに振り返ると、声の主が小さく駆け寄ってくる。北信介__一瞬のチームメイトであり、2年間 同クラス。学校で話すことは少ないが、休学時に連絡をくれる等世話になった友人だ。
午後7時、強豪校としては早めな上がりだなと考えていると、見透かしたように「 先週県予選が終わったので一回クールダウン中 」なのだと彼は話した。…どうりで。後ろからバレー部の面子がぞろぞろと続いている。
「 今年も全国か。ほんますごいな、バレー部は。 」
「 せやな。この前の大会もみんな挑戦しつつ、ハマるとこはハマってたし。ええかったんとちゃうか 」
「 あれやろ、中総体ベストサーバー、最強ツインズ…やったか 」
「 ああ。侑のことやな、……… 」
区切りをつけたといってもニュースで流れれば自然と見てしまうし、シューズはクローゼットの中で眠っている。別にバレーを嫌いになった訳ではないが後ろめたさは無意識に留まったまま。だから意外だったのだ__、自分がこんなにもスムーズに話せるということが。その感慨に、ついさっきまでの頭痛が少し和らいだ気がした。
(/背後より数点失礼いたします…!
まず初回ですが、主様がご提案くださったもので書かせていただきました。時期としては県予選終了後1週目、ちょうど今頃の設定です。状況づくりのため前半の駄文がかなり長くなってしまいましたが、絡み始めは後半からとなりますので適当に読み飛ばしていただければと思います。
また現在二役稼働中のため「 台詞 」炉留 の形式で記載していますが、北さんが外れ次第、台詞( 炉留 )の形式に直しますのでご承知おきくださいませ。
最後に、もしきっかけが難しい/絡みにくい!!等ございましたらお気軽にお申し付けください…!
長々と失礼いたしました。改めましてよろしくお願いいたします!/ 全てお返事蹴可 )
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