僕の内側 〆

リン意外と血の気多いのなんなの…、…ね、思ったより誰にでも接していけるのすごいなあと思ってるよ。俺は気に入らなかったら話さないし突き放し気味だから全然接客向いてないから余計に。
…そうなんだ、…バイトいくつもするのってだけでも響きがしんどそう。ああそうだ、…スープジャーの中身はまあ好きなものぶち込んだ塩バターポトフなんだけど、…鶏肉、舞茸、人参、…大根か。入ってるやつで。嫌いなものないといいんだけど。（中身の説明をしていないことに気付いたなら空いてる手を指折りしながら。食べること寝ることを充実すれば少しは元気になると思いたく、少し首を傾げて見せて）

…喧嘩は売ってません。…なんつうの、…素っ気ないくせになんだか愛くるしいとこあるからずるいなって思っただけ。（殊更丁寧な口調だったがやはり何処かわざとらしい態度のままで。反射なのか意図的なのか胸中は知れないが返事のように握り返される様には自然頬緩ませ、ベッドの端に肘を添えて頬杖ついて）

…顔が可愛いって良いこともあるけど、悪い面で言えばナメられる、背も高くないし。だからナメられたくなくて、結構噛み付いちゃうんだよね。
……無理に興味無い人の話は聞かなくてもいいでしょ。はっきり突き放せるのも、僕は凄い強みだと思うけど。
(可愛いが故の欠点というべきか、今まで喧嘩した相手の顔が浮かんでいるのか何なのか眉をひそめ目の前の空間を睨みつける。
そして、自分も誰に対しても態度を変えないせいで客から嫌われることはあるものの、相手の性格も悪いことばかりでは無い、と素直に持論を述べつつ。
ポトフの中身を聞けば、睡魔に負けていた食欲がまたせり上がってきそうな感覚になり。「大丈夫、全部大好き。起きたら全部食べる。」とだけ食い気味で返しておいた。)

……別に意図してるわけじゃないけど。それも僕の魅力だから。
(ちらりと仰向けにしていた頭を相手の方へと倒して視線をやると、聞こえてきた言葉には再度小さく笑い、声は掠れたままだが褒められた時の自意識過剰ぶりは相変わらずのようで。)

──…環境によるやつか、…そんなことあるんだな。（見た目どうこうでそんな風にされた覚えが自分にはまるでなくて、想像してはつられたように苦々しく眉を顰めて）
ハハ、まーそうだね。…万人に好かれたいとかいう思想はないからさ、…慰めてくれてるの？（フォローの言葉に思えるそれに意外そうに幾らか瞬いた後に口角持ち上げて。言っててちょっと腹が減りそうな心地感じながら彼もまた同じようなものなのがシンクロ感があって面白くて、ふはと笑いながら少し掌伸ばすと相手の額と前髪の間を指先で梳くように撫でて）

…そう言うことにしといたげるよ。全く、…しょうがないんだから。（こちらに向いた視線感じたなら横目からゆっくり彼の方へと焦点合わせ、片眉下げながら「…てかめっちゃ話してるけど寝なくて平気？」と会話を重ね過ぎてないかふと心配になって尋ね）

……ただ、そう思ったから言っただけ。
(慰めているのかと聞かれればちらりと視線を外して、肯定も否定もせずにあくまで持論だと言って。
額を優しく撫でられると擽ったそうに目を細め、そのまま更に重くなっていた瞼が自然とゆるりゆるり下りてくる。)

…ん、寝る。
……スープジャー、またバーに来た時にでも、返すから…。
(相手の言葉を目を瞑ったまま聞きながら、一度仰向けにした身体をもう一度相手側へと寝返り打ち、まるで寝言のような声量で上記を述べる。
それから暫くすると、穏やかな寝息が周囲へ響いていて。)

──…そう、君らしいね。

（徐々に下がっていく彼の瞼を視界に収めながら簡潔に答えた。撫でていた手をゆっくりと下げてそのままスマホの液晶の照明を落としながらパーカーのポケットに仕舞い込んで）

…おやすみ、リン。
…急いで無いから、…早く具合良くなれよ。（微睡みの中にいる彼を見つめながら穏やかに目を細め。──寝息が聞こえて数分したのちに音も立てずに立ち上がれば此の儘出るのもなんだか芸がないのではと思い少し思案した後に荷物からゲーセンで取ったらしいぬいぐるみのキーホルダーをスープジャーを背にするように置いておく。
黄色いマントをつけたジト目の黒猫のそれ見て「なんだかリンっぽいなあ」と無意識にとっていたもの。「…留守番をよろしく、」などぬいぐるみに小さく申し付けながら、ファ、と欠伸混じりに部屋を後にして／〆）

……。
(店での仕事を終えて外に出ると、トートバッグに付けた猫のぬいぐるみキーホルダーを無意識に片手で弄び、何やら考え事をした後にスマホを取り出す。
相手の連絡先をタップすれば、一瞬その手を止めて迷うものの、一度店に来た様子を思い返しながらとりあえずメッセージを送ってみて。)

「ねぇ、 なんか、様子おかしかったけど大丈夫？」

(コンビニで水だけ購入した帰り。「1時間だけカラオケすんべ！」と謎の誘いを受け一通り済んだ後のこと、酒焼けしてる喉はだいぶ掠れていて。夕飯の買い出しでもするかとチラシを見ようとスマホを取り出したなら連絡がきているのにそこで気づき、立ち止まると片眉下げて)

「頭痛がね」「久しぶりにテキーラショットとか飲んだからね」

(分けた返信を送り、サモエドが頭を抱えてるファンシーなスタンプ送りながらスーパーまでの道に歩みを変えて)

(帰路を散歩がてらゆっくり歩いていると、通知音を聞いて再度スマホの画面をつける。送られてきたスタンプには小さく笑い、そういえばショット飲まされてたなぁ、なんて思い返しつつ、返信の文には悩むものの、結局はいつものように素っ気ない文面になる。)

「なるほどね」「今日、スープジャー持ってきてたんだけど渡せなかったから」「もし会えるなら渡していい？」

(こちらも数回に分け文面を送り終えると、カバンの中に入れていたスープジャーをちらりと見やる。
彼が看病に来てくれた後、夜中に目覚めた時にご馳走になったらしい。)

「そか、わざわざ悪い」「うちくる？」「飯今からなんだけど1時間後くらいにきたら出来てるよ」


（スーパーで適当に安い具材をひょいひょいと入れながら器用にスマホを手にし、一旦思案するものの「まあリンだしいいよね」など独り言ぼやきながら、自分のアパートの住所を最後に添付して。
どうやらしっかり食べれたようで何よりと気分は良くなるものの頭の痛さは変わらず鈍痛めいてるいる。がしかしそれはそれとしてガッツリ食べたいなあなど思って豚肉なども放り入れながらそのままレジに向かって）

……ご飯、なんか…貰ってばっかだなぁ。
(次いで届いたメッセージに目をやると、いつもタダ飯ばかり貰っている気がするなぁ、と流石に少し気が引けたようで。かと言って、もちろん遠慮するのかと言われればそうではなく、指でスマホを操作して、真顔のキャラクターがグッドサインを出して背景に“OK”と書かれたスタンプを送れば、少しだけ頬を緩ませる。相手の家がどんな感じなのかも気になるし、と胸の内で楽しみにしてみると、ふと、近くのコンビニが視界に入る。

──…そして、言われた通り1時間と少しばかり時間が過ぎた頃、メッセージに表示されていた住所を頼りに相手の家へとたどり着けば、コンビニ袋を片手に下げたまま、インターホンを押して。)

（自分にとってはほぼついでみたいな調子で夕飯に誘っていて、了承の意を汲み取れるスタンプが送られてくればやっぱりねと言わんばかり愉快そうに一人笑っていた。「また後でね」と短く入力しておけばエコバックに諸々詰めて自宅へと向かい。）

──…、…お。空いてるよー、

（同刻。扉近くのインターホンが鳴る中、安いアパートゆえに声を張れば外に聞こえるであろう声量飛ばして。自らはキッチンでフライパンに構っているので直ぐには動けず、）

…お邪魔します。
(玄関先でそのまま待っていると、突然室内から声が聞こえてきてビクリと肩を揺らす。玄関が開いていると聞けば、そろりと扉を開けて室内へ。
靴を脱いで進んでいけば、一旦荷物もそのままにキッチンに立つ相手の姿を見つけて近づき「何作ってるの？」と背後から質問して。)

（短い廊下を挟んで1Kながら広めの部屋には目立つものだと観葉植物のモンステラがかなり大きく育ったものが一つと、全体的に緑で纏めた一室があり。部屋の端の方にキッチンが備える作りになっているそこで己はといえば豚肉焼いていて、）
…ン、豚丼？なんか食べたくなって。くつろいでても大丈夫だよ、そろそろできるから。（フライパンの中身に目を遣ればすでに出来上がり間近の香ばしくも甘辛い匂いのする豚肉と玉ねぎを炒めたものが存在している。けれど客人を立たせておくのも忍びなく、ちょいと背後に位置するライムグリーンのカウチソファ指差して）

へぇ、美味しそ……、てか、頭痛してるのにそんなガッツリ食べて平気なの？
(豚肉を焼いている所を覗いた後、相手の指先を追ってソファへと目を移すと、言われた通りそちらの方へと移動しつつ、そういえば、頭痛いんじゃ…と少しばかり呆れたように言う。
まぁ、食欲があるなら良い事だけど、と思案すると、綺麗に整理され緑に纏められた室内を見渡しながらソファに腰掛け、トートバッグの中身を探ればスープジャーを取り出してテーブルの上へ。)

ポトフ、とっても美味しかった。ありがとう。

まあ言うてどうしようもないやつだし。食べ盛りだし食欲は抑えられなくて。（耐えれないほどの頭痛はしてないらしくけろりとした調子で。コンロの火を止めたなら白い茶碗にご飯と炒めたそれらを乗せて仕舞えば、冷蔵庫から作り置きのもやしのナムルを小鉢に分けたもの二つ取り出し──…などしていれば礼の一つを耳にして）
いーえ、これもあれも俺的にはついでだよ。一緒に食べてくれる方がもっと嬉しいし。…ビールとハイボールと麦茶だとどれがいい？（ソファ前のテーブルへと移動して。配膳をしながらそれでもどこか嬉しそうに答えた。冷蔵庫のラインナップをついでに明かしたなら彼の方を向き直り）

んー、じゃあ、ビール飲もうかな。
(相手の話を聞きながら、大丈夫ならいいけど、と肩を竦めつつ、配膳される料理を眺めていれば、自然とお腹が鳴りそうになる。それを何とか我慢しつつ、そうだ、と思い出せば持ってきていたコンビニの袋を掲げて見せる。「大した礼にはならないけどさ」とポテチやクッキーなど、摘めるお菓子が数種類入っているところを見せて1度テーブル横に置いておく。
そして、もう一つ思い出したのか、トートバッグ膝に乗せて、持ち手部分に付けていたキーホルダーを見せながら小さく笑って。)

それと、このジト目のふてぶてしい猫。これもついで？

気ぃ合うねえほんと、…じゃあ二つか。
（好みのものが近いのか、自分が飲もうと思っていたのと一緒で了解、と一度手を振ってから程なくして冷蔵庫からビールを二つ持って戻り、割り箸もついでに自分と彼の方に置いておいて。そのタイミングで頂けるらしい菓子の数々目にすれば両の目少し輝かせて、「結構助かるし嬉しい、…サンキュ」と少年めいた笑みを作って）

──…そーれ、は。…なんかこう、寂しくないようにと思って。（自らもソファに腰掛けつつもついでではない用件突きつけられれば咄嗟には言葉思いつかず。ふわっとした内容を誤魔化すように視線を彼とは反対側の方向へ斜めに逸らして）

(少しばかり目を輝かせて笑う相手をみて、買ってきて良かったと内心思いつつ、表向きは普段と変わらずクールに装って。
ビールと箸も用意されれば、それに対してまた短く礼を言って、トートバッグもコンビニ袋と同じくテーブルの横へと置き直しながら、口元に手を持ってきて揶揄うように笑いつつ)

…え、僕が寂しくないようにって持ってきてくれたの？
慧くん可愛いとこあるじゃん。
まぁ、気に入ってるし、なんか憎めない顔してるよね。
( そんなことを言いながら両手を合わせて挨拶をすると、早速豚丼を口に頬張って「うま」と洩らす。)

（近隣の記憶では菓子をあまり口に運んでいなかった為に「あとで食べよ」と相手に提案するくらいには上機嫌なのを面に出し。礼には軽く頷いて見せながら自身の割り箸は片側を唇で挟んでパキッと半分に割っていって）

──…偶然だよ。前に気になってゲーセンで取ったの。
…俺なんか最近子供扱いされてない？…これでもしっかりしてるつもりなんだけどな。

（「リンにしろオーナーにしろさ、」と不平を訴えるようぶつくさ呟きながらも片手でビール缶開けてから窓際に配置された液晶テレビの電源入れて）

気に入ってくれたんなら良いんだけど。…何か観る？テレビでもサブスクでも。（二文字で語られる味の感想には呼応して「だろー」、と自信作らしく笑って相槌打って）

(相手からの提案には2つ返事で頷き、不満そうに呟きつつテレビを点ける様子にはもう一度小さく笑いながら、こちらもビールを開けようとタブに指をかけて。)

冗談だって。ホント、慧の方が僕よりもしっかりしてるのは分かってるし。

……あー、テレビでいいかな。最近、番組もほとんど見てないし。
(ビールを1口煽りながら、続けざまに質問への回答しつつ、自信ありげに相槌を打ってくる様子には肩を竦める。それでも相変わらずの食べっぷりで豚丼を頬張れば、ふと、バッグの中の携帯が震えているのを感じ取り出してみる。
画面を見ればどうやら着信が入っているようで、名前の表示部分には自らが設定したのであろうハートマークが1つ表示されていた。)