館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「 ブローディさん…とても、優しい方なのね。
でも、あまり気を遣わないでね。どうか腰を上げて、そこにお座りになって。」
相手からの自己紹介を聞き終えると、尚も優しい笑顔を向け、感銘したように胸にそっと手を当てた。強い忠誠心を持ち合わせているらしい彼は、きっと良い人に違いはない。しかし、聞こえてくる所作の音から推測し、恐らく膝を着いているのであろう相手にソファを促す。相手は甲冑を身につけている為、微かな金属音でどの程度身動きしているのかが分かりやすいようだ。
そして、1つ咳払いをすると「そうそう」と思い出したように言葉を続け、彼へ質問を。
「ブローディさんの身近に魔女や魔法使いは居たかしら?
魔女って、その数も多くはないし、色々誤解されている部分があるから、まずは私の事を知ってもらわなければいけないわ。」
魔女や魔法使いなど魔法族と言われる種族は少なからず存在はするものの、決して多くはない。1部を除き見た目だけでは普通の人間とほぼ変わらず、魔法族という事を隠しで生きている者も多いはずだ。
ありとあらゆる力を秘めていると噂される魔法族は、崇拝や憎悪、どちらの対象にもなり得るし、今でこそ受け入れてくれる人も増えているが、魔法族として生活するには幾つもの困難がある。
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