館の魔女 2023-10-17 21:30:43 |
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「お待たせしました。お手伝い助かりましたわ、ありがとう。
さぁさぁ、食べましょう。」
暫くして、小さなバスケットの中にこんがりと焼き目を付けたバケットを詰めて軽い足取りで客間へとやってくる。
頭上をくるくると楽しげに舞っていた精霊たちが、徐ににふわりとバスケットを持ち上げると、テーブルの中心へと其れを置いて、また楽しげに周囲をくるくると舞い始める。
其れにもお礼を述べれば、相手にも着席を促しつつソファーへと腰掛ける。
「召し上がれ」と微笑むと、次いで自分も挨拶を済ませて食器具を手に取ろうとテーブルの上に指先を滑らせる、が、一瞬その手が止まると、あらあら、と柔らかく口元を綻ばせ、ゆっくりと卓上を探り出す。それぞれの食器の位置、間隔、角度に至るまで気遣われているのが伝わり、実際にとても手に取りやすい配置になっていた。
「…ブローディさん、テーブルセットお上手なのね!ビックリしたわ。ふふ、なんだか貴族になった気分。」
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